7/18 盛夏の草いきれ

 梅雨の間、ほとんど篭って過ごしていた。
緑は黒々と分厚く茂り、その中を走る小路を薄暗くしている。

 深く、静寂な緑の中を覗くのは、こんな昼間でも少し心地が悪い。
俗界に住む人間は立ち入ってはいけない、別の世界のような気がして。

 頭上の木立から光が漏れた。 夏は、昼間でも明暗差が強い。

生い茂る木立が覆いかぶさってくるような圧迫感



ひときわ大きな葉は、朴の樹の葉
大きな分、葉も厚みがあり、枯葉となっても、そんなに早く崩れはしない

それを利用したのが、飛騨地方の「朴葉味噌」という食材(というか、料理法というか)
 乾燥させた落ち葉を器にし、味噌と一緒に秋の山の幸を焼いて食べると、葉の香りが移ってイイらしい

岐阜県の土地の9割以上は山なのだ


朴の樹の葉


 辺鄙過ぎて、
滅多に人が来ることがない公園に、
半野生化した青いアジサイが咲いている
雑木の中、大きな花塊が異質




午後の空、白い月が浮いていた



6月の末、届いたゲラニウムの苗はひょろひょろで、虫に食われた小さな花が咲いていた



その後、どうにか盛り返しに出たようで、多いときは4輪くらい咲いた
「比較的 暑さに強い」種だそうだが、夏を越えられるかは判らない
ずるずると這っていくくせに、地面に着いた節から根を出すこともないし


 もっと改良種臭いかと思ったが、
フウロソウと思い込めないこともない



少しずつ、日暮れが早くなってきた
微かな夕焼けが消えると、クレオメの背後の月が輝き始める

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